森博嗣『それでもデミアンは一人なのか? Still Does Demian Have Only One Brain?』

森博嗣 WWシリーズ

こんにちは、はっこんです。

今回の記事では森博嗣さんの『それでもデミアンは一人なのか?』を読んだ感想を書いていきたいと思います。

※本記事は『それでもデミアンは一人なのか?』を読まれた方に向けて書いたものです

※以降ネタバレを含みます、ご注意ください

『それでもデミアンは一人なのか?』はWWシリーズの第1作目です。

登場人物

  • グアト・・・・・・楽器職人
  • ロジ・・・・・・・技師
  • セリン・・・・・・情報局員
  • ヴォッシュ・・・・科学者
  • ペィシェンス・・・助手
  • ヘルゲン・・・・・捜査官
  • ミュラ・・・・・・館長
  • カンマパ ・・・・・ナクチュ区長
  • モレル・・・・・・資産家
  • オーロラ・・・・・人工知能
  • デミアン・・・・・戦士

あらすじ

楽器職人としてドイツに暮らすグアトの元に金髪で碧眼、長身の男が訪れた。

日本の古いカタナを背負い、デミアンと名乗る彼は、グアトに「ロイディ」というロボットを探していると語った。

彼は軍事用に開発された特殊ウォーカロンで、プロジェクトが頓挫した際、廃棄を免れて逃走。

ドイツ情報局によって追われる存在だった。

知性を持った兵器・デミアンは、何を求めるのか?

内容

第1章 一つの始まり One beginning

グアトとロジの元にデミアンが現れる

ヴァーチャルでマガタ・シキと会う

ヴォッシュと対談

第2章 二つの頭の男 Two headed man

セリンがドイツに来る

ヘルゲンに呼ばれ、HIXの研究所を見学

デミアンがナクチュに現れる

ナクチュに向かい、カンマパと面会

日本に帰国、王子の遺体を輸送中、ドローンに襲撃される

第3章 三つの秘策 Three secrets

王子を乗せた救急車が逃走

王子のの身体と一緒のデミアンに逃亡される

モレルがいるミヤケ島へ向かう

ミヤケ島に来たデミアンと対談する

第4章 四つの祈り Four prayers

ドイツに帰国

オーロラと話す

ヘルゲンが暗殺され、デミアンに頭部を持ち出される

メモ

  • デミアンは戦闘用に作られたウォーカロン
  • 作ったのはHIX
  • デミアンは脳が二つ搭載されている
  • 人間の脳を搭載しているため、排熱する必要がある
  • デミアンとナクチュの王子が似ている
  • デミアンはジュラと面会するため、ナクチュに現れた
  • モレルがデミアンに資金を提供している可能性
  • トランスファは人間の頭脳から派生したもの
  • デミアンに搭載されていたのはヘルゲンの頭脳
  • と思わせといて、ミュラの頭脳

感想

前シリーズが好きな方にとって、かなり嬉しい作品だと思います。

わざわざ言うのも野暮ですが、あの2人ですね。

読み始めは知らない人物だと思っていたのですが、

分かった途端かなり嬉しくなりました。

そっかぁ、まだ一緒にいるんだぁ。

この2人が書かれた作品をこれからも読むことができるというだけで歓喜!!

グアトの空気読めない感じとか、ロジの普段はツンツンだけど、たまにくる冗談、

相変わらずで嬉しい限りだ。ニヤニヤしながら読んでしまう笑

こんな嬉しいことは滅多にない!!!!!!

まず2人がドイツでの新生活を送っていたことに驚きですね、

名前まで変えているあたり、さすが情報局員といったところでしょうか。

そこらへんの背景も明確に書いてありました。

簡単に言えば、電子空間でのいざこざに巻き込まれ、深く関わりすぎたため、隠居のような形でドイツに移住した。

それに伴ってロジも仕事を辞める覚悟でついてきたとのこと。

結局ロジは仕事を辞めずに海外研修のような形で給料を半額もらいながら、新生活を送っているとのこと。

グアトが楽器職人ってなんかおもしろいですね、研究は続けてたのかなぁ。

セリンも登場し満足ですが、欲を言うならもう1人、あの人欲しかった!!

デミアンについてですが、冒頭の印象から知性を感じさせ、とても紳士的に感じられた。

必要最低限の戦闘しか行わず、争いが目的というわけではなさそうな雰囲気。

ロイディを求める目的は、なぜジュラ王子の身体を盗んだのか、そしてデミアンに搭載された脳は誰のものなのかという謎が本作の中心となっている。

ロイディを求める目的は、本作でも明確に説明されているが、デミアン本人が自分のルーツを知るため。

デミアンを開発したHIXの主任研究員はロイディを作ったクジ・マサヤマの弟子にあたる人物。

もともとクジは人間の頭脳からロボットを無線でコントロールする研究をしており、

ロイディ開発の技術がウォーカロンに使われ、その試作品の中で唯一生存しているのがデミアンである。

その研究の中で発生した通信速度の問題を解決したのがトランスファ。

ロボットに人間の脳を載せることにより、ネットワークを脳内に格納した。

脳内のネットワークの伝達速度を上げるため、トランスファは分散型のストラクチャをとっている。

今まで漠然としてたトランスファのイメージもなんとなく分かってきましたね。

マガタ・シキが目指している共通思想はトランスファを内部にもち、トランスファで演算し、思考するということでしょうか。

ジュラ王子を盗んだ理由、これも本作でグアトによって明かされています。

マガタ・シキに頼まれてやったのだろうとのことです。

しかし、なぜそのようなことを依頼したのですかね、

結局新たな疑問が生まれます。

ジュラ王子はマガタ・シキの子孫にあたりますね。

ミチルの時と同じように、クローンを作るのか、それとも意識まで回復させるのか。

なにもせず、そばに置いておくのか。

デミアンに搭載されていた人間の頭脳はヘルゲンのものと思わせて、

ミュラのものと仄めかされています。

まぁ正直後味は良くないですね。

かなり個人的な動機なのでうーん、って感じ。

正直本作はグアトの思考やロジとのやりとりなど、嬉しいとこに頭がいってしまい、

デミアンのこととかあまり考えることができませんでした。

しかし、ファンにとってはかなり嬉しい1冊になることは間違い無いでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました