森博嗣『デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping?』

森博嗣 Wシリーズ

こんにちは、はっこんです。

今回の記事では森博嗣さんの『デボラ、眠っているのか?』を読んだ感想を書いていきたいと思います。

※本記事は『デボラ、眠っているのか?』を読まれた方に向けて書いたものです

※以降ネタバレを含みます、ご注意ください

『デボラ、眠っているのか?』はWシリーズの第4作目です。

登場人物

  • ハギリ・・・・・・研究者
  • ウグイ・・・・・・情報局員
  • アネバネ・・・・・情報局員
  • シモダ・・・・・・情報局長
  • タナカ・・・・・・研究者
  • ヴォッシュ・・・・科学者
  • ペィシェンス・・・助手
  • カンマパ・・・・・区長
  • ドレクスラ・・・・HIX所長
  • サリノ・・・・・・少女、ウォーカロン
  • アミラ・・・・・・人工知能
  • ベルベット・・・・コンピュータ
  • マガタ・・・・・・二世紀前の天才科学者、ウォーカロンの生みの親

あらすじ

祈りの場。

フランス西海岸にある古い修道院で生殖可能な一族とスーパ・コンピュータが発見された。

施設構造は、ナクチュのものと相似。

ヴォッシュ博士は調査に参加し、ハギリを呼び寄せる。

一方、ナクチュの頭脳が再起動。失われていたネットワークの再構築が開始され、新たにトランスファの存在が明らかになる。

拡大と縮小が織りなす無限。

知性が挑発する閃きの物語。

内容

第1章 夢の人々 Dreaming people

ニュークリア玄関手前で「デボラ、眠っているの?」と聞こえ、声の主を探すが見つからない。

玄関付近で少女がガードマン、ウグイを触れずに弾き飛ばし玄関から侵入。

地下23階で少女を拘束。

ドレクスラからアミラが再起動した映像が送られる。

第2章 夢の判断 Dreaming estimation

バーチャルでアミラとディスカッション。

ホテルで何者かに襲撃を受けるが、デボラに助けられる。

ヴォッシュとディスカッション。

第3章 夢の反転 Dreaming reversal

デボラと会話する。

フランスで見つかったスーパ・コンピュータ(ベルベット)の調査に向かう。

日本から来たサリノと合流。

敵のトランスファに操られた修道僧(ウォーカロン)と戦闘。

第4章 夢の結末 Dreaming conclusion

デボラがサリノを操りベルベットを停止させることに成功。

病院でパティが別のトランスファに乗っ取られる。

サリノの蘇生に成功。

メモ

  • サリノは16歳
  • デボラの実態は単なるコードであり、知能がある
  • デボラはネットワークを介して、あらゆる制御系に高速でアクセス可能
  • デボラは外部とやり取りするシステムで、適用範囲の信号系を用いていれば、システム内に入り込むことが可能
  • 人間であっても、そのような機能を体内に有していれば入り込まれる
  • サリノはデボラに侵入されている間のことを覚えており、夢を見ていると思っていた
  • デボラはウォーカロンならば完全に乗っ取ることができるが、人間はそこまではできない
  • デボラという言葉は旧約聖書に登場する預言者の名、ヘブライ語で蜜蜂の意味がある
  • アミラが再始動した日と少女がスクールを抜け出した日は同じ
  • トランスファは非活動的な期間は分散して潜伏する
  • デボラはカンマパの母親
  • アミラの目的はネットワークを通じて、あらゆるインテリジェンスを統合し、地球上により高いレベルの知能を構築すること、共通思想
  • デボラはトランスファの中では最も古いタイプ
  • アミラが再起動したことにより、電子空間での攻防が激しくなった
  • デボラがハギリに近づいた理由は、ベルベットを停めさせるため
  • 城のコンピュータは人間社会を否定している
  • 城のオーナーの名前はジャン・ルー・モレル

感想

デボラと言えば、森博嗣さんの作品を読んでいる方ならはご存知だと思います。

S&Mシリーズ第1作目『すべてがFになる』で登場した、真賀田研究所のシステム名でしたね。

ちなみにカンマパの本名はカンマパ・デボラ・スホ、セカンドネームにデボラの名が入っていますね。

しかもカンマパはマガタ・シキ(メグツシュカ)の子孫ですね。

なにか関係がありそうですね、、、

本作によってアミラの作られた意味、要するにマガタ・シキの目的、描いていた未来が少しずつ見えてきた気何します。

ずっと共通思想とはなんなのか考えていましたが、本作を読んで納得できました。

しかし、共通思想が構築された未来には人間はどうなっているんでしょうか?

人間より遥かに優れた人工知能や、トランスファによって形成される未来では、地球上の生命で人間がトップにいる現代とは異なるものなんでしょうね。

アミラが再起動したことにより、マガタ・シキの計画が再び動き出すWシリーズはまさに人類の佳境とも言えますね。

さて、本作の舞台となったフランスの修道院は百年シリーズの舞台でもある、イル・サン・ジャックの後の姿ですね。

イル・サン・ジャックはフランスにあるモン・サン・ミシェルをモデルにしていますね。

ジャン・ルー・モレルの名が登場したことからも、百年シリーズとの関連性がみえます

百年シリーズ読み直さねばですね。

物理戦争に取って代わった電子戦争はまさしく頭脳戦でもあり、情報戦とも言えますね。

あらゆる可能性をシミュレーションし、最適解を実行する、まさに人工知能や、トランスファのような高度な知能だからできることですね。

人間の出る幕はないと思える場面にハギリの発想力を持って戦争は幕をとじました。」

やはり、ハギリ・ソーイ、只者ではありませんね。

医者にカチンときているのはおもしろかったですが笑

過激な戦闘シーンもあり、かなりハラハラしました。

ハギリが戦闘後にデボラに戦いの意味を尋ねる描写では、ハギリの怒りの感情のようなものを感じました。(はっきりとそう書いてあったわけではありませんが)

ハギリはウォーカロンとはいえ、まだ16のサリノに無理をさせたことに対して怒りを感じているのでしょうね。

サリノが回復し、元の生活に戻ることを祈ります。

エピローグには驚きましたね、なんですかアレ。

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フォアグラメ

人間は、自分たちの至らなさを恥じ、もっと完璧な存在を目指して、コンピュータやウォーカロンを作った。

その技術の初心を、忘れてはならないだろう。

そうでもなければ、生命の価値が消えてしまう。

それでは、あまりにも恥ずかしい、と僕は思うのだ。

ハギリ・ソーイ

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