森博嗣『喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima』

森博嗣 シリーズ外

こんにちは、はっこんです。

今回の記事では森博嗣さんの『喜嶋先生の静かな世界』を読んだ感想を書いていきたいと思います。

※本記事は『喜嶋先生の静かな世界』を読まれた方に向けて書いたものです

※以降ネタバレを含みます、ご注意ください

あらすじ

文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕。

大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いが、僕のその後の人生を大きく変えていく。

寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。

学問の深遠さと研究の純粋さを描いて、読む者に深く静かな感動を呼ぶ自伝的小説。

感想

ボクが本作を初めて読んだのは、大学3年のころだったと思います。

当時のボクは就職か院進かを迫られており、悩みの多い日々を送っていました。

そんなときに本作を読み、研究の素晴らしさを知り、進学を決意した所存です。

といっても就活もまったくしていなかったということもありますが、、

もちろん橋場君のように、頭の良い人間でもなく、分野も異なりますが、それでも共感できるところが結構ありました。

本作はもともと、短編集『まどろみ消去』に収録されている物語でしたね。

ボクは最初にそれを読み、その後に本作を読みました。

理系大学生必読書とも言われている本作は主人公の橋場が指導教官である喜嶋先生に出会って人生を変えていく物語。

シリーズ本よりも本作の方が有名かもしれませんね、

ボクは小説は基本的に100ページまで読んで、そのまま読み続けるか、やめるかを決めるのですが、本作は50ページあたりからもうおもしろかった。

年齢も近く、同じ理系学生ということでのめり込んでしまい、他の作品よりも集中して読むことができました。

別の学生生活をもう一度送っているような感覚。

前半は虚無のような大学生活を送っている主人公が喜嶋先生に出会い、それからはアハ体験のように、いつの間にか生き生きとした研究生活を送っている。

その中には研究に対する真摯さや、ひたむきさ、煩わしい俗世間とは乖離している静かな世界で研究を続ける純粋な人間が書かれています。

さらに大学という機関の内部情報、教授の営業、政治に関することまで書かれており、大学院生のボクでも知らない情報が多かったです。

著者の自伝的小説ということもあり、時代背景はかなり前でしょう。

今のように学生が当たり前にパソコンを持っていて、プログラミングも今のようにキーボードで入力して、そのままモニタに結果が出るような時代ではなく、手作業でプログラムリストを打ち込み、機会に通すという時代でしょう。

ボクもそんな時代があったことくらいは知っていたのですが、本作を読んで、現代に生まれて良かったと思いました。

それでも本作を読んでいると、その世界に入ってるようで貴重に感じる。

本作は、今のはしゃいでいる大学生のような生活は一切なく、登場する女性も指で数えられるほど、そんな主人公でも女性から告白され、結婚し、子を持ち、仕事をしている。

主人公と喜嶋先生を分けたのはこのような境界条件でしょう。

喜嶋先生も結婚し、助教授として栄転されたが、結局は奥さんを失い、辞職してしまうことに、

独身かつ助手というポジションが喜嶋先生にとって最適だったのでしょう。

煩わしい生活に一度は踏み込んでみたものの、我慢できず静かな世界に戻った喜嶋先生は今でも研究を続けているのだろうか、

そんな学問の純粋さを教えてくれる本作、是非おすすめです。

ボクも研究がんばろうと思います、みんなもがんばれー!

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