森博嗣『四季 夏 Red Summer』

森博嗣 四季シリーズ

こんにちは、はっこんです。

今回の記事では森博嗣さんの『四季 夏』を読んだ感想を書いていきたいと思います。

※本記事は『四季 夏』を読まれた方に向けて書いたものです

※以降ネタバレを含みます、ご注意ください

『四季 夏』は四季シリーズの第2作目です。

あらすじ

十三歳。

四季はプリンストン大学でマスタの称号を得、MITで博士号も取得し真の天才と讃えられた。

青い瞳に知性を湛えた美しい少女に成長した彼女は、叔父・新藤清二と出かけた遊園地で何者かに誘拐される。

彼女が望んだもの、望んだこととは?

孤島の研究所で起こった殺人事件の真相が明かされる第二弾。

感想

本作は時系列的にはVシリーズとS&Mシリーズの間と言ったところでしょう。

前作の『四季 春』からは5年が経過しているようです。

なんと言ってもVシリーズのキャラクタが多く登場しましたね。

特に保呂草と各務の関係が思ったよりも深くなっていて驚きました。

保呂草は各務に溺れそうになるし、

各務に至っては仕事を辞めて海外まで保呂草を追いかけるまでに。

ビジネスだけの関係では無いとは思ってましたが、ここまで依存しあう2人を見るのはなんだか新鮮ですね。

保呂草は四季を誘拐することにより、警察の注意を引きつけ、無事目的を達成したわけですが、とにかく決断が早いですね。

一瞬のインスピレーションを崇拝し、計画を立て、即座に仕事に移すあたり、手慣れているし、やはりプロって感じがします。

ボクもそんな男になりたいです笑

保呂草のカウンター攻撃により、警察は踊らされるばかりですが、

そこで登場したのが林さん、因縁の相手である保呂草の行動パターンを即座にトレースし、保呂草の後を追うことに。

やはり頼りになりますね、保呂草を捕まえることはできませんでしたが、四季は無事返ってきました。

個人的に気になったのは四季が各務の過去についてほのめかした描写。

各務亜樹良は特に好きなキャラなので、とても気になるのですが、

知りたがるのも野暮ってやつですね。

他にもへっ君こと犀川や喜多が登場しました。

Vシリーズのときはへっ君はまだ小学生で紅子をお母様と呼んでいたのですが、

もう敬語は辞めてしまったのようです。

犀川と喜多の会話はS&Mシリーズと変わりませんね。

犀川のエキセントリックな話し方はやはり読んでいて笑ってしまいそうになりました。

というか、犀川はいま林と暮らしているらしいですね、これにも驚きました。

家で会話とかするのかな、、いやしないか笑

ということは紅子は無言邸で寂しくしているのかな?

いやそれもないか、

変わらずに研究に明け暮れて、たまに練無と紫子とワイワイしてそうだ。

肝心の四季ですが、本作は四季の中でも人間に近づこうという試みが感じられました。

その原因は詳しくは分かりませんが、

「最近、つまらない」

と発言するなど、虚無感を抱いているような描写があります。

おそらくですが、超越する圧倒的な力をもち、彼女の周りの人間があまりにも遅く感じてしまうことからでしょう。

一般的な言葉で表現するならば、張り合いがないという言葉が最もふさわしいと思います。

四季がこの問題に対し、解決策を検討しました。

紅子に子供がいることを知り、それを自分もやってみようと思ったのです。

紅子が子を産み、死をイメージすることによって、精神状態のリセットを成功させたのを知り、自分にもそれができるのではないか、と考えたわけです。

しかし、紅子と比べて四季は容量が大きすぎるため容易に同じことはできません。

四季に唯一できないことは記憶を意図的に忘却、消去すること。

簡単にはリセットができないのですね。

他にも、人間に近づこうと検討している描写もあり、なんだか普通の少女が垣間見えた気がします。

四季が新藤に対して抱いていた感情は恋だったのでしょうか。

恋をするのは天才らしくない、と思う方もいると思いますが、

ボクは恋だったと思います。

四季の言う通り、新藤を掌握するならわざわざこんな行動をとる必要ないですよね。

定期的に連絡をしたり、我慢するほど強く想うようになったり、

純粋な恋心でしょう。なんだか天才少女がかわいく見えてしまいます。

各務にキスの仕方を聞くのもかわいかった。

終盤には真賀田研究所の建設や引越し、そしてあの事件に繋がります。

すべてがFになる』の背景って感じですね、四季と新藤の関係や、四季が殺人を犯した動機など、とても気になっていた部分なので、事細かく描写されていて嬉しかった。

ちなみに真賀田研究所で働いていたプログラマの水谷や島田も登場してます。

名前は出てきませんでしたが外見の特徴や、嗜みなどが描写されていたので間違いないでしょう。

本作を読んでいると、またFを読みたくなってしまいますね。

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