森博嗣『彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?』

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こんにちは、はっこんです。

今回の記事では森博嗣さんの『彼女は一人で歩くのか?』を読んだ感想を書いていきたいと思います。

※本記事は『彼女は一人で歩くのか?』を読まれた方に向けて書いたものです

※以降ネタバレを含みます、ご注意ください

『彼女は一人で歩くのか?』はWシリーズの第1作目です。

登場人物

  • ハギリ・・・・研究者
  • ウグイ・・・・情報局員
  • アカマ・・・・助手
  • アリチ・・・・生物学者
  • シモダ・・・・情報局長
  • チカサカ・・・動物学者
  • ミチル・・・・最新型の子供のウォーカロン
  • マガタ・・・・二世紀前の天才科学者、ウォーカロンの生みの親

あらすじ

舞台は前シリーズである『百年シリーズ』よりも後である。

ウォーカロン(walk-alone)。「単独歩行者」と呼ばれる、人工細胞で作られた生命体。

人間との差はほとんどなく、容易に違いは識別できない。

主人公である研究者のハギリ・ソーイは人間の「思う」という行為の現象について研究していた。

その延長線上には人間とウォーカロンの識別装置の開発という課題がある。

ある日ハギリは、突然何者かに命を狙われた。心当たりはなかった。

ハギリは謎の女ウグイ・マーガリィに保護され、公的機関である情報局に身を隠しながら研究を続けることになる。

ウグイによると、ウォーカロンと人間を識別するためのハギリの研究成果が襲撃理由ではないかとのことだが。

人間性とは命とは何か問いかける、知性が予見する未来の物語。

感想

Wシリーズは森博嗣さんのシリーズ作品の中でもかなり最近の部類になりますね。

時代背景は現在から200年後だった気がします。

ボクたちが知らないような技術がかなりリアルに描かれています。

物語はハギリが研究室で目を覚ますところから始まります。

「研究室の棺桶の中で目が覚めた。時刻は七時だった。」

棺桶!?棺桶ってあの棺桶!?

初めからツッコミどころ満載でした。

しかし、そんな技術が当たり前のように物語は進んでいくんですね。

棺桶の他にも300キロの距離をわずか数十分で移動できるチューブなどがありましたね。

森博嗣さんの描いている未来はこのようになっているのかと、

できればボクもそんな時代まで生きてみたいと思わせてくれました。

読みながら気になったことをいくつかメモしました。

  • 首都は札幌になっている
  • ニュークリア (情報局)の位置は北海道から約300キロでギリギリ本州(おそらく青森の先端あたり)
  • 人間ではない者(ウォーカロン)は既に人口の半分にも達している
  • 初期のウォーカロンは知能が高すぎており、人間に近づくために遅延回路を組み込まれ、適度に迷ったり、わざと馬鹿なふりをするようになった
  • 出産率の低下は、通常細胞にいるはずの出産を促すパラサイトが人工細胞にはないことが原因である
  • ハギリを襲撃したのはウォーカロンの日本メーカーであるイシカワから脱走したグループをさらに脱走したグループ
  • そのグループのトップは人間、本拠地はインド

ハギリの年齢は80歳らしいですね。今だったらおじいちゃんだな〜と思いますが、これでもまだ若い方らしいですね。現代で換算すると30代くらいなんでしょうね。

この時代では生命科学がかなり発展しており、クリーンな人工細胞を用いれば直せない病気はないと言われています。

体のほとんどの部分に人工細胞を用いることによって、若々しくいられるんですね。

平均寿命が伸びる一方、謎の原因で出産率が低下し、

人工細胞によって少子高齢化はますます加速されます。

ボクは生命科学の分野はまったく詳しくないのですが、人工細胞ってのはiPS細胞的なものなんでしょうかね。

時代はハードからソフトに移り、さらにバイオに移ったって感じですね。

皆さんは人工細胞によって産まれた生命をどのように思いますか?

この問題は宗教や倫理感などによるので様々な意見が出ると思います。

ボクはどっちかと言わなくても賛成ですね。

少子高齢化の解決策はこれ以外に無いと思うんですよね。

ただ問題はその命を差別、区別するべきなのか否か、という本作品にもよく書かれていることになるのでしょうね。

この本には本当に考えさせられました。

主人公のハギリは人間とウォーカロンの識別装置を作っておりますが、本人は区別する必要は無いと言ってますね。

ウグイがハギリにこのようなことを言っていました。

「逆に言えば、両者の差を明らかにすることは、その差をなくすために必要なのでは」

確かに、、、、。

ウォーカロンをわざと馬鹿になるように遅延回路を組み入れて、人間に近づけるべきなのか。。

いやぁ、、どうなんでしょうね。

確かに合理的には思えないけれど差別や区別をなくすためには必要なんですかね。。。

終盤ではあの真賀田四季さんが登場しましたね。

森博嗣さんの作品の中でもダントツの天才であり、ウォーカロンの産みの親。

真賀田博士は他の作品で、ガウスやニュートン、アインシュタイン等の偉人レベルと表現されていた気がします。

新しく登場したミチルの正体は、、?

真賀田博士が生み出したウォーカロンなんでしょうか?どうなんだろう、、

赤い魔法、英語でレッドマジック。

レッドマジックって『すべてがFになる』で真賀田博士が開発したOSの名前と一緒ですね。

ウォーカロンの強制終了のパスワード的なものなんですかね。

四季さんとハギリの会話を眺めていると、四季さんと犀川の会話を思い出しますね。

やはりハギリってどこか犀川に似たようなイメージ、四季さんもそんなところに惹かれたんでしょうね。

本作品は登場人物の会話よりもハギリの思考がかなり多く、読んでいると「なるほどな〜」とか「参考になるな〜」と思うことが多かったです。

次の作品を読むのが楽しみですね。

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