森博嗣『朽ちる散る落ちる Rot off and Drop away』

森博嗣 Vシリーズ

こんにちは、はっこんです。

今回の記事では森博嗣さんの『朽ちる散る落ちる』を読んだ感想を書いていきたいと思います。

※本記事は『朽ちる散る落ちる』を読まれた方に向けて書いたものです

※以降ネタバレを含みます、ご注意ください

『朽ちる散る落ちる』はVシリーズの第9作目です。

登場人物

  • 保呂草潤平・・・・・・・探偵、便利屋
  • 瀬在丸紅子・・・・・・・自称科学者
  • 小鳥遊練無・・・・・・・大学生
  • 香具山紫子・・・・・・・大学生
  • 林・・・・・・・・・・・愛知県警刑事
  • 祖父江七夏・・・・・・・愛知県警刑事
  • 各務亜樹良・・・・・・・ジャーナリスト
  • 藤井徳郎・・・・・・・・テロリスト
  • 纐纈苑子・・・・・・・・藤井の妻
  • 周防洵・・・・・・・・・国立大学教授

あらすじ

土井超音波研究所の地下に隠された謎の施設。

絶対に出入り不可能な地下密室で奇妙な状態の死体が発見された。

一方、数学者・小田原の示唆により紅子は周防教授に会う。

彼は、地球に帰還した有人衛星の乗組員全員が殺されていたと語った。

空前の地下密室と前代未聞の宇宙密室の秘密を暴くVシリーズ第9作。

感想

本作は第7作目の「六人の超音波科学者」の続編となっております。

章題がすべて’かける’になっており、内容もちゃんとマッチしていてすごいです。(欠ける、架ける、etc。)

「六人の超音波科学者」で明かされなかった地下室の秘密が本作品では明かされましたね。

紅子が周防教授から伝えられた、NASAのスペースシャトルの殺人事件、一見なんの繋がりもなさそうですが、何かあるはず!と思いながら読み進めることができました。

本作を読んだ今では、小田原長治と纐纈苑子の繋がり、紅子を土井超音波研究所に送った理由、2つの事件の関係などすべての謎がきれいに解けて感動しました。

地下室の死体の謎に対する紅子の説明はかなり分かりやすかったです。

といってもボクは物理学を学んでいる人間ですからね、逆に分からなかったらヤバイ笑

定量的な説明で、どのレベルの威力かが実感しやすかったですね。

スペースシャトルの方はそりゃそうだよなって感じ。

ただでさえ情報が統制されているので、そこも極秘に扱われていたのでしょう。

極秘を使うとなんでもアリになりますよね笑

珍しく保呂草が痛い目にあっていましたね。

まぁプロ数人に囲まれれば保呂草でもどうしようもないですね。

CIAなども動いているあたりから、この事件がいかに大事かが分かります。

結局練無とその師匠である根来機千瑛の加勢で凌ぐことができましたが、かなりヒヤヒヤしましたね。

森博嗣さんの作品の中で、国際問題になるほどの大規模な作品はあったかな、、?

さて、本作での注目点はへっ君失踪の場面ですね。

実際、失踪していたわけではありませんが笑

林のためなら自分の息子を殺せると言っていた紅子ですが、やはり母親ですね、へっ君への愛が垣間見えたシーンでした。

それ以上に林のことを愛しているということなのか、、。

隣町の図書館まで本を読みに行くあたりからは彼の後の姿を感じ取ることができますね。

そういえばへっ君のグローブにS.Sとイニシャルが書かれていましたね(チラッ

ラストのソフトボール大会観戦でもソフトボールのルールを知らない紅子に冷たい顔で答えるのかなんだかおもしろかった笑

そして今回の事件の鍵を握っていた纐纈苑子。

練無と瓜二つの容姿をしているあたり、美人なんだろうなぁ。

彼女の周辺の人間関係はちょっと複雑ですね。

彼女は実は数学者、小田原長治の実の娘であり、地下室で死体で発見されたテロリスト、藤井徳郎の妻である。

それだけではなく、超音波研究所のジョージ・レンドルとも繋がりがあるとのことです。

纐纈苑子自身もテロリストの一味に属しており、本作は纐纈苑子が保呂草に地下室から藤井徳郎の手帳を持ち出して欲しいと依頼するところから始まります。

謎に包まれており、裏世界の匂いがしますね。

影ですべてのキーパーソンと繋がっていますね。

結局地下室には藤井徳郎の手帳は無く、保呂草は藤井徳郎の指にあった指輪を纐纈苑子に渡します。

このシーン、めっちゃかっこいい!

保呂草のジェントルな優しさとかっこよさにすべて持ってかれてしまいました笑

本作でもいい仕事してましたね。

人は仮面を作る。保呂草も‥‥‥、否、私も、

仮面を幾つも持っている。仮面を被り、仮面を付け替えるうちに、

どれが本当の自分なのか、わからなくなってしまった。

自分の状態は、そんなふうだ、と思う。

見失ったのではない。

どちらかといえば、見捨てたのだ。

いろいろな自分を見捨ててきた。

そして、それよりも沢山の友を見捨ててきた。

見殺しにした。

そうしたうえで、自分は生きている。

おそらくは、償いのため?

否、まさか、そんな格好の良いものではない。

少なくとも、そんなはっきりとした理由などない。

ただ単に、諦めが悪いだけのこと。

ただ単に、力が尽きないだけのことだ。

保呂草潤平

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