森博嗣『神はいつ問われるのか? When Will God be Questioned?』

森博嗣 WWシリーズ

こんにちは、はっこんです。

今回の記事では森博嗣さんの『神はいつ問われるのか?』を読んだ感想を書いていきたいと思います。

※本記事は『神はいつ問われるのか?』を読まれた方に向けて書いたものです

※以降ネタバレを含みます、ご注意ください

『神はいつ問われるのか?』はWWシリーズの第2作目です。

登場人物

  • グアト・・・・・・楽器職人
  • ロジ・・・・・・・技師
  • アリス・・・・・・少女
  • クマさん・・・・・ぬいぐるみ
  • モリス・・・・・・船長
  • オーロラ・・・・・人工知能

あらすじ

アリス・ワールドという仮想空間で起きた突然のシステムダウン。

ヴァーチャルに依存する利用者たちは、強制ログアウト後、

自殺を図ったり、躰に不調を訴えたりと、社会問題に発展する。

仮想空間を司る人工知能との対話者として選ばれたグアトは、

パートナのロジと共に仮想空間へ赴く。

そこで彼らを待っていたのは、熊のぬいぐるみを手にしたアリスという名の少女だった。

内容

第1章 楽園はいつ消えるのか? When will Paradise disappear?

ヴァーチャルでロジとドライブ中、突然ブラックアウトし現実に戻る

ドイツの情報局からアリスシステムとの接触を指令される

ヴァーチャルでアリスと会う

第2章 人はいつ絶滅するのか? When will mankind disappear?

クルーザに乗り、海を進む、アリスはいない

港の方で爆発が起こる

村で再びアリスと会う

船に戻り、パレスに向かう

クマさんと対話する

ホテルに戻る

第3章 世界はいつ消滅するのか? When will the world disappear?

リアルの世界でアリスに会う

アリスからクマさんと共に日本に亡命したいと頼まれる

アリスシステムのサーバ基盤を取りにいく

ドイツ情報局から出る

第4章 神はそれらよりもさきか? Will God disappear before them?

国境を渡り、基盤をスイスへ運ぶ

ホテルでモリスと会う

ロジからプレゼント

memo

  • オーロラは正式な情報局員になっている
  • ドイツでは約250人が自殺
  • アリスシステムの製作者は20年も前に亡くなっている
  • Bear is not fox.
  • クマさんとモリスは同じ声
  • アリスワールドの時間の流れを変えた際に生じたノイズが原因
  • クマさんは数万年後に小惑星が地球に衝突することを暗示した
  • アリスシステムが別の重大な仕事に関与していた可能性
  • ドイツ情報局はアリスワールドを消滅させたがっている
  • アリスはモリスが以前引き取った中古のロボット
  • モリスがアリスシステムの製作者

感想

いつもに比べて登場人物がかなり少ないですね。

前作ではグアトは楽器職人のフリをしているだけということでしたが、

思いの外のめり込んでいるようですね、実際に売り出しているほどに。

なんか研究と似たものがあるのかもしれませんね。

ロジは技師として実際に働いているのかな?

とドイツでの生活に定着している様子が本作から分かります。

そんな中、グアトをヴァーチャルでのドライブに誘うロジ、

昔だったら考えられませんよね、あのロジが、、、

森博嗣さんの作品でスポーツカーに乗る女の子といえば、

西之園萌絵が第一に出てきますが、ロジも相当のめり込んでいる様子ですね。

ロジが「嬉しい」と叫ぶのと同時に、ボクは「かわいい」と心の中で叫んでしまいました。

ラストでは2人の甘酸っぱいながらも、ユーモアを感じる会話にこちらも赤面。

ナイフに掘られている名前が昔の名前を示唆していますね。

ロジぷんぷん事件も微笑ましい。ラブラブかよ!!!

ボクが嬉しかったのは前作のセリンに続いて、彼が登場したとこですかね。

チェスが強くて、無口の美女といえば”彼”ですよね!

やはりセリンも含めたこの4人がしっくりきますね。

たったの数行で一礼をした描写のみでしたが、かなり嬉しかった!

読者の心を掴みにきてますね笑

本作は大半がヴァーチャルでの出来事に基づいています。

人類がヴァーチャルへ過度に依存することの是非を問うような内容。

人工知能はヴァーチャルの神になるのか、ヴァーチャルで生まれた人間に意識はあるのかなど様々な問題が蔓延ります。

ボクは無宗教なので神の存在は信じていませんが、

神が人間を生み出したように、ヴァーチャルの世界では人工知能が神になってもおかしくはないですね。

もちろん人工知能ごとに様々なヴァーチャル世界があるのでしょう。

体はエネルギーを摂取するだけの器になるのか、それとも頭脳だけになってしまうのか、それすらもないのか。

そうやって普及していくほど、本作のように突然のシステムダウンで自殺者が出てもおかしくないでしょう、というかシステムダウン自体が死のような感じ。

そして五感の解像度が上がっていくほどに、現実との区別がつかなくなるのでしょう。

人間とウォーカロンの区別がつかなくなるのと似てますね。

今の時代ではまだ現実的ではないですが、生きているうちに体験したいですよね。

ラストでオーロラとの共同研究にどちらも冷めている様子が書かれていました。

人間の頭や意識について知っていくほど、変な感覚になるとのこと。

日本を出てドイツ暮らしを始めた背景が少し感じられました。

自分の世界において、自分は創造主なのだ。すべて自分の都合の良いものを思い描き、勝手に解釈する。世界というものが自分の外に存在するように見えても、実際は、そうではない。その証拠に、いつでもその世界を、自分の意思で消し去ることができる。人間は、かなりの確率で自殺する。世界を消して、リセットしたいと考える。コンピュータや人工知能や仮想空間が登場する前から、ずっと昔から、そのリセットは行われていたのだ。

世界を消すよりも、さきに自分が消えようと考える神、それが人間だ。

自分が神だと、どうして考えないのか、という問題を思いついた。それは、神になることよりも、神に縋る方がずっと楽で、安心できるからにすぎない。

グアト

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