森博嗣『私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback?』

森博嗣 Wシリーズ

こんにちは、はっこんです。

今回の記事では森博嗣さんの『私たちは生きているのか?』を読んだ感想を書いていきたいと思います。

※本記事は『私たちは生きているのか?』を読まれた方に向けて書いたものです

※以降ネタバレを含みます、ご注意ください

『私たちは生きているのか?』はWシリーズの第5作目です。

登場人物

  • ハギリ・・・・・・研究者
  • ウグイ・・・・・・情報局員
  • アネバネ・・・・・情報局員
  • ヴォッシュ・・・・科学者
  • マグナダ・・・・・占い師
  • シン・・・・・・・村長
  • キリナバ・・・・・リーダ
  • フーリ・・・・・・教師
  • フィガロ・・・・・羊飼い
  • カンマパ・・・・・区長
  • デボラ・・・・・・トランスファ
  • アミラ・・・・・・人工知能
  • マガタ・・・・・・二世紀前の天才科学者、ウォーカロンの生みの親

あらすじ

富の谷。

「行ったが最後、誰も戻ってこない」と言われ、警察も立ち入らない閉ざされた場所。

そこにフランスの博覧会から脱走したウォーカロンたちが潜んでいるという情報を得たハギリは、ウグイ、アネバネと共にアフリカ南端にあるその地を訪問した。

富の谷にある巨大な岩を穿って造られた地下都市で、ハギリらは新しい生のあり方を体験する。

知性が提示する実存の物語。

内容

第1章 生きているもの Living things

アフリカの南端へ調査に行く。

マグナダに会い、バイクで富の谷へ行く。

第2章 生きている卵 Living spawn

村長のシンと会い、富の谷で1泊し、翌日に研究機関の見学をすることになる。

富の谷の研究所でバーチャルの世界を体験する。

シンが行方不明になってしまい、現実に戻れなくなる。

第3章 生きている希望 Living hope

フーリの家へ行き、テルグの真実を伝えられる。

図書館へ戻り、デボラからメッセージを受け取る。

再びフーリの家へ行き、カンマパの姿をしたデボラに会う。

デボラの協力で、現実に戻ることに成功。

第4章 生きている神 Living God

ホテルに一旦戻り、マグナダに会いに行く。

研究所を見学、帰り際にシンとキリナバに襲撃されるも排除。

メモ

  • ハギリはカレーが好き、アネバネもカレーが好き
  • 富の谷には行った者は帰ってこれないという噂がある
  • ローリィは自分を生きていないと言う
  • 富の谷(テルグ)ではソフト開発が盛んである
  • テルグは世界中から集まってきた人々からなり、アジア人が最も多い
  • シンは富の谷で唯一の人間
  • ウォーカロンは自分達は生きていると教育される
  • 富の谷はもともと核戦争に備えて造られたシェルタであり、その後国の情報機関が利用していた
  • 富の谷の研究機関で働いている者はすでに肉体から離脱している
  • バーチャルの世界をテルグと呼んでいる
  • テルグでは図書館に行かないと外部の情報を得ることはできない
  • フーリを購入した人間は、自分たちの娘を事故で亡くしている
  • 富の谷では卵プログラムを利用し、世界中の価値、金や株などの小数点以下3桁くらいの金額を集めている
  • 羊飼いのフィガロはシンだった
  • 自転車乗りの正体はシンとキリナバ
  • シンの正体は老婆、今までシンだと思っていたのは、頭にルーターを搭載したロボット
  • 図星、正しくは図星を指す

感想

本作品ではタイトルにある通り、生きているということの定義がテーマとなっていました。

なかなか哲学的ですね、まぁ本作品に限ったことではありませんが。

生きているものだけが、自分が生きているかと問う、考えることを考えるようになって意識というものが生まれる。

なかなか興味深いですよね、眠れなくなりそう笑

読む前はサブタイトルのBiofeedbackとは?って感じだったのですが、読んだあとはなるほどと思うことができました。

テルグの住民は肉体から離脱してバーチャルの世界で暮らしていましが、実際このような技術ができたらどれくらいの人がバーチャルで暮らしますかね、

ボクは是非行ってみたいですね。でも現実に戻れないのはきついかも笑

食事などの時間がなくなるのはかなりうれしいです。

個人的にはバイクに乗って富の谷へ向かう場面がお気に入りです。

実はボクは読書の他にバイクが趣味なのです。(最近はまったく乗っていませんが)

エアバッグならぬ、エアヘルメットや自動ブレーキ、呼んでいると確かに将来こうなってそうだなと思いました。

特に無人走行は現在も開発中の技術だったと思います。

珍しくアネバネが上司のウグイに怒られている描写がありました。

ウグイとアネバネが火花を散らしていてなんだか新鮮でしたね。

気のせいかもしれませんが本作はアネバネの口数がいつもより多かった気がします。

「言いたくありません」もなんか可愛かったですね。

しかし、アネバネのおかげでデボラが衛星を使って、富の谷内部のネットに入ることができましたね。

これはかなりのファインプレー、失敗を帳消しにできるレベルですね。ナイス、アネバネ!

毎度のことですが、エピローグはほんわかとしていて、心があたたまりますね。

トランスファが求めているものは、情報や、エネルギーよりも人間との友情というのはなるほどですね。

お互いに足りないものを補完しあえる存在という意味の友達ですが、

実際にハギリの発想をデボラが演算して窮地を切り抜ける場面は何度かありますしね。

誰もが、普通に信じていた。

自分たちは生きていると、なんの疑いもなく、誰もが胸を張って主張した。

人の命はかけがえのないもの、この世で最も貴重なものだ、という信念によってすべてが進められてきた。

だが、それは本当なのか、どうしてそんなことがいえるのか、という危うい境界にまで、我々の文明は到達してしまったのである。

ハギリ・ソーイ

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