森博嗣『青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?』

森博嗣 Wシリーズ

こんにちは、はっこんです。

今回の記事では森博嗣さんの『青白く輝く月を見たか?』を読んだ感想を書いていきたいと思います。

※本記事は『青白く輝く月を見たか?』を読まれた方に向けて書いたものです

※以降ネタバレを含みます、ご注意ください

『青白く輝く月を見たか?』はWシリーズの第6作目です。

登場人物

  • ハギリ・・・・・・研究者
  • ウグイ・・・・・・情報局員
  • アネバネ・・・・・情報局員
  • タナカ・・・・・・研究者
  • フーリ・・・・・・教師
  • フーリ・・・・・・科学者
  • デボラ・・・・・・トランスファ
  • オーロラ・・・・・人工知能
  • マガタ・・・・・・二世紀前の天才科学者、ウォーカロンの生みの親

あらすじ

オーロラ。

北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。

彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。

データを集積し、思考を重ね、そしていまジレンマに陥っていた。

放置しておけば暴走の可能性もあるとして、オーロラの停止を依頼されるハギリだが、オーロラと接触することも出来ない。

孤独な人工知能が描く夢とは。

知性が涵養する萌芽の物語。

内容

第1章 赤い光 Red light

ウグイと共に北極へ向かう。

マガタ・シキと会い、オーロラの停止を依頼される。

ジェット機で日本に帰る。途中で襲撃されるが邀撃する。

第2章 青い光 Blue light

再び北極基地へ、オーロラへの補給物資にカメラを取り付ける。

カメラの映像で、赤い光の他に、青い光を確認。

日本に帰る。

ラグランジュが引き上げられるが、中にフーリ(人間)の遺体は無かった。

再び北極に向かう。

ラグランジュ内の映像を見せてもらい、フーリ (人間)のメモを見つける。

第3章 白い光 White light

シモンをコマンドを用いて停止させる。

シモンを停止させたことを察知され、襲撃を受けるも、ウグイが排除。

オーロラからコンタクトを受け、核燃料を提供することに。

オーロラと再び連絡をするために手紙を書く。

オーロラを乗せた青月が移動。

ジェット機で日本に帰る。

第4章 黒い光 Black light

ジェット機のコントロールを何者かに奪われる。

コントロールされたまま潜水艦に着陸、その潜水艦は青月だと分かる。

青月の中に入り、フーリ(人間)の遺体を発見。

オーロラと会話。

青月が日本に帰還。

ウグイとそっくりの姿をしたオーロラのサブセット(ロボット)と会う。

セイゲツ・オーロラとして論文の連名者となる。

メモ

  • 100年まえには、人間の子供は約90パーセントが体外妊娠になっていた
  • ナクチュの遺跡の遺体の蘇生に成功、遺伝子からカンマパの先祖であることが判明
  • 南極には地面があるため、北極よりもコンピュータが多くある
  • オーロラはアミラやベルベットと同じ時期に造られている
  • シモンはオーロラから制御されている
  • オーロラはマガタ・シキが設置した
  • オーロラはある種のジレンマに陥っており、マガタ・シキには偽りのレポートを送り、自分の状態を隠していた
  • アミラの本名はスカーレット
  • オーロラを放置したままだと、電子空間に影響が出る可能性がある
  • タナカが仕事に復帰
  • ウォーカロンのポスト・インストールに人間に憧れることを抑制するプログラムが含まれている
  • オーロラにはときどき基地から物資が送られている
  • オーロラを搭載している潜水艦の正式名称は「青月」
  • 30年ほど前にロシアはオーロラの要求に応え、小動物を送った
  • 青い光は行方不明になっているフランスの探査艦「ラグランジュ」の識別信号
  • その探査艦はフーリ(人間)が乗っていたもの
  • フーリのメモの内容は「再び青い月が見られるだろうか?」
  • ロボットの襲撃はオーロラの指示ではない
  • フーリ(人間)は青月でオーロラと共に生活していた
  • フーリ(人間)のフィアンセ(整備士)がラグランジュに細工をし、事故を起こさせた可能性
  • ウグイが昇格し、ハギリの護衛から離れることに
  • 新たにサリノが護衛任務に就く

感想

本作品では主要なキャラの登場がいつもより少ないですね。

いつもならハギリの護衛はウグイとアネバネの2人でしたが、本作ではウグイ1人のみでした。

おそらくアネバネは日本でハギリの散歩を護衛しただけでしたね。

その代わりと言ってはなんですが、本作では人工知能オーロラが登場し、最終的にはハギリとかなり近い関係になりましたね。

エピローグでオーロラと会話している場面では、

「先生とお話ししていると、面白いです」

と発言しました。

人工知能がこのように感情を表すのですね。

オーロラの他にも人工知能にはアミラがいますが、彼女はもっと機械的な発言しかしていませんでした。

そもそも人工知能が感情を持つことはあるのでしょうか。

第2作目の『魔法の色を知っているか?』ではヴォッシュがマガタ・シキの業績について語っていました。

確かその中に「仮想感情」という単語があったんですね。

おそらくマガタ・シキはオーロラに自分が研究した仮想感情の技術を取り入れたのではないでしょうか

と勝手に推測します。

人工知能が論文を書くなんて夢のある話ですね。

また、オーロラが活動を休止したいと言った理由はかなりリアルでした。

真賀田四季がどんなに優れた技術でも普及するのには時間がかかるものだ、と発言していたのを覚えています。(確か四季シリーズです)

残念なことですが、やはり人工知能においても、人間の価値観に合わせる必要があるのでしょうね。

冒頭ではハギリがデボラに対する恋愛のような感情を語っていました。

現在でも二次元のキャラに恋をする方はいますが、それとは違いますね。

二次元のキャラには知能がありませんが、デボラにはそれがあります。

容姿などの外面的な要素に恋をするのとはまったく逆のことですね。

ハギリはトランスファや人工知能にはモテるようですね。

もっとも、トランスファや人工知能のような電子的な存在にとって、

接触する価値がある優れた知能を持っているゆえのことですね。

本作でも、デボラには思いつかないハギリの発想でオーロラと対話することを可能としました。

お互いに足りない部分を補いという意味では良いパートナーでもありますね。

エピローグでは、ウグイが昇格するため、ハギリの護衛任務から外れることが伝えられました。

寂しいですね。。

1作目からずっと行動を共にしてきて、本作ではウグイが冗談を言うような場面もあり、

かなり近い関係になったと言えます。

ウグイの昇格は嬉しいことですが、やはり寂しいですな。

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