こんにちは、はっこんです。
今回はlaserについて書きます。
laserとは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭字語ですね。
日本語に訳すと、誘導放出による光増幅放射となります。
似た言葉にrazorという言葉があります、剃刀という意味ですね。
laserが通常の光とどう異なるのか、それは以下の4点にあります。
- 単色性
- 指向性
- 収束性
- コヒーレント
単色性
おさらいですが、光とは波であり、波長の違いを人間の眼は色として認識しています。

例えば日常で使う電球からは様々な波長の光が放出されています。

しかし、レーザーは単一波長の光です。要するに1つの色しかないということですね。それが単色性です。

どの波長の光を出力するかはレーザーによって決まってます。
ボクはよく637[nm]のレーザーを使います。
指向性
あらゆる方向に分散する通常の光源に対し、レーザーは直進し、ほとんど広がりません。
このことを指向性が良いと言います。

収束性
通常の光をレンズに通して1点に収束することは不可能です。
これは通常の光が様々な波長の光から成るため、焦点距離がズレてしまうためです。
しかし、上で言ったようにレーザーは単色性があり、位相が揃っているため、狭い面積に光エネルギーを収束させることができます。
これを利用して焦点の温度を数万度まで上げることが可能です。

コヒーレント
時間的に定まった波長と位相の光をコヒーレント光といいます。理想的なコヒーレント光は存在しませんが、レーザー光はそれにかなり近い光です。
似た言葉にコヒーレンスというものがありますが、これは光の干渉のしやすさを表すパラメータです。
コヒーレンスが悪い光は太陽光や、懐中電灯の光のように、様々な波長の光の重ね合わせ状態となっているため、正弦波とは程遠い形をしています。
(たまたま異なる波長の重ね合わせアニメーションを作った記事があったのでよかったらこちら)
レーザー光は長距離伝搬した後でも正弦波の形が壊れにくいため、干渉させるのに適しています。

レーザーの原理
誘導放出とは、励起状態の原子に光を入射すると光が増幅して放射される減少です。
誘導放出の良いところは、入射光とコヒーレント(同じ状態)な光が発生するところです。

レーザーの光源装置はこのようになっています。

2枚の反射鏡内に媒質を配置した形ですね。
(この2枚の反射鏡は最も簡単な共振器のモデルです)
ある原子から誘導放出された光が他の励起状態の原子の入射光になり、さらに誘導放出を発生させる形になります。
このようにして光が増幅されるわけですね、まさに誘導放出による光増幅放射ですね。
ここで重要なのは励起状態と基底状態の原子の分布です。
自然の状態では励起状態と基底状態ではエネルギーが低く、安定している基底状態の方が多いです。
その状態で原子に光を当てても必然的に誘導放出よりも、自然放出が発生する確率の方が多くなります。

そこで誘導放出を発生させるためには、励起状態の原子の方が多い、通常とは真逆の状態にする必要があります。
このような状態を反転分布と呼びます。

ダイオードレーザー
最後にせっかくなのでダイオードレーザーについて書いて終わろうと思います。
ダイオードレーザーは最も普及しているレーザーだと思います。
ボクもダイオードレーザーをよく使います。
ダイオードレーザーはレーザーダイオードや半導体レーザーとも呼ばれていますね。
ボクはレーザーダイオードと呼んでいます。
ダイオードレーザーはこのような構造をとっています。

p型からn型に電流を流すことによって、ホールと電子が結合して光を放出します。

まだこの時点ではレーザーではありません。
活性層は両端の半導体よりも屈折率が高いため、光を閉じ込めることができます。
(光ファイバが光を閉じ込められるのと同じです)
よって発生した光が活性層内の反射鏡を往復しながら、活性層内で誘導放出をし、光を増幅させるわけです。
ちなみに、誘導放出をするか否かがダイオードレーザーとLEDの違いになります。
ちょっと難しい言葉が多かったと思います、わからなかったら是非聞いてください。
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