こんにちは、はっこんです。
今回の記事では森博嗣さんの『タカイ×タカイ』を読んだ感想を書いていきたいと思います。
※本記事は『タカイ×タカイ』を読まれた方に向けて書いたものです
※以降ネタバレを含みます、ご注意ください
『タカイ×タカイ』はXシリーズ第3作目です。
登場人物
- 真鍋瞬市・・・・・・芸大生
- 小川令子・・・・・・助手
- 椙田泰男・・・・・・美術品鑑定業
- 鷹知祐一郎・・・・・探偵
- 永田絵里子・・・・・芸大生
- 鷲津伸輔・・・・・・マジシャン
- 牧村亜佐美・・・・・マジシャン
- 横川敬造・・・・・・マネージャ
- 三澤宗佑・・・・・・実業家
- 三澤有希江・・・・・その娘
あらすじ
人気マジシャン・牧村亜佐美の邸宅で発見された他殺体。
奇妙なことにそれは、高さ十五メートルのポールの上に「展示」されていた。
牧村に投資していた実業家から依頼を受け、調査に乗り出した探偵・鷹知、謎に惹かれた小川と真鍋、そして大学教員・西之園萌絵の推理が交差する。
絶好調Xシリーズ第三弾。
感想
まずは恒例のサブタイトルについてですね、
「CRUCIFIXION」という英単語は検索すると、はりつけ(キリスト)という意味だそうです。
本作でも高いポールの上に展示された遺体があったとのことで、まぁ分からなくもないかもって感じ。
ただ、本作の方ははりつけというよりは、ポールの上に乗っていた状態だったので若干意味が違っている気もしますが、棚にあげましょう。
読んだ直後の正直な感想は、結構おもしろかったです。
というのも他のシリーズとのリンクがいつもよりも多め、
Vシリーズからは各務亜樹良が登場(セリフはありませんでしたが)。
S&Mシリーズからは西之園が登場というかなり豪華な作品でした。
しかも最後の最後で犀川の名が出てきてテンション上がりましたね。
そして鷲津伸輔、本名が宮崎というところで、
ちょっと待てよ、宮崎ってそんなやついたような、、、、
5分くらい考えて、ようやく思い出しました。
そう、S&Mシリーズ第6作目『幻惑の死と使徒』で登場した、有里ナガル、
確か本名は宮崎長郎です。
本作を読み始めた時から、マジシャンといえば、『幻惑シトシト』だなぁ、もしかしたらなんか関係あんのかなぁと思っていました。
読み進めていくうちに、なんだ、さすがに期待しすぎだよなぁ、と思っていたのですが、
やってくれますね、森先生、これだから森博嗣はやめられないと思いました。
有里匠幻から有里ナガルへ、鷲津伸輔から牧村亜佐美へ受け継がれていく技術にボクのボキャブラリィでは表せないものを感じました。
(ボクがボキャ貧なだけ)
今回も椙田は我関せずでしたが、各務と一緒にいるところを真鍋に見つかってしまうあたり、西之園から逃げるあたり、珍しく慌てている場面が2つもあっておもしろかった。
「反省会が必要だ。」
後日反省会したんですかね笑
S&Mシリーズでの西之園はあまり好きになれませんでしたが、個人的に大学院に上がって大人になったあたりからは好きです。
昔だったら事件と聞いたら真っ先に突っ込んでいく感じでしたが、忙しいからですかね、時間があったら考えときますスタンス。
結局本作では西之園の協力もあって事件を解決できました。
真鍋と交わしたセリフにかつての犀川がいました。
そう、いきなり好きなパスタを聞いたところです。
『夏レプ』で犀川が蓑沢杜萌に尋ねた質問とほぼ同じですね、
そのあと言っていたこともほぼ同じ笑
「でも、形が違うことって、大事じゃない?色が違うよりも、ずっと大事だと思う」
似てきてるなぁ笑
終盤の小川が三澤有希江に、鷹知が三澤宗佑に、西之園が牧村亜佐美にそれぞれ会い、事件の真相に近づく構図がかっこよかった、、
仕事なんかしなくても良いのに?
生きなくても良いのに?
殺さなくても良いのに?
どうして、どうして、どうして?
目まぐるしく、数々のシーンが頭の中で展開した。けれど、エレベータのドアが開くまでに、再びすべてを凍らせ、冷蔵庫の中に押し込んだ。
自分が死ぬ間際には、沢山の「どうして」が一挙に解凍されてしまうのだろうか。
それとも一緒に消えていくのか。エレベータを降り、ロビィを抜けて建物を出た。携帯電話を取り出して、遠距離電話をかけようと思った。けれど、今自分は急いでいるのだ。そんな場合ではない。
西之園萌絵
こんなふうにして、モニタの名前だけを見て、何度かけ損なっただろう、と彼女は思った。
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