こんにちは、はっこんです。
今回の記事では森博嗣さんの『夢・出会い・魔性』を読んだ感想を書いていきたいと思います。
※本記事は『夢・出会い・魔性』を読まれた方に向けて書いたものです
※以降ネタバレを含みます、ご注意ください
ボクはこの作品を読んだのは3度目ですね。
『夢・出会い・魔性』はVシリーズの第4作目です。
あらすじ
本作は瀬在丸紅子と阿漕荘の3人が応募したクイズ番組に出演するため、
東京に足を運ぶところから始まる。
クイズ番組のリハーサル中に番組プロデューサである柳川聖志が隣の部屋で殺害された。
柳川聖志は20年前に死んだ恋人が夢に出てくることに悩んでいたという。
犯行時に響いた炸裂音は1つ、だが遺体には2つの弾痕。
不可解な事件に翻弄される中、事件の核心に位置するアイドル立花亜裕美とともに、
小鳥遊練無が行方不明に…
繊細な心の揺らぎと、瀬在丸紅子の論理的な推理が際立つ。
感想
まず本作を読む前に注目する点があるますね。
タイトルの『夢・出会い・魔性』そのまま読むと、
『夢で逢いましょう』となりますね。
さらにサブタイトルの『You May Die in My Show』、
これもそのまま読むと『夢で逢いましょう』となりますね。
この言葉遊びはとても森博嗣さんらしく、S&Mシリーズ第5作目『封印再度 WHO INSIDE』を彷彿させますね。
秀逸で、さすがとしか言えないようなタイトルだと思います。
さらに森博嗣さんの講談社から発売されている文庫本にはオリジナルの栞がついてくるのですが、
本作の栞は個人的にとても気にいっています。

わんちゃんかわいいですね、ボクのLINEのトプ画になってます。
さて、本作の内容に移りましょうか。
本作では紅子の元旦那の林とその愛人の七夏は登場しませんでしたね、ちょっと残念。
その代わりと言っては何ですが、練無がかなり活躍していたと思います。
さらに今回はいつもの4人に加えて、東京で探偵業を営んでいる稲沢真澄が加わりましたね。
稲沢真澄の謎めいたキャラは結構好きでした。
相手に心配させてしまうような気弱な性格を逆に利用して安心感を与える、
一見探偵には向いてなさそうだが、うまく立ち回っているのは一流の探偵だということですね。
さらに、本作品の最後には稲沢が実は女性であることが明かされました。
これにはすっかり騙されましたね、というか初見では絶対にそうなってしまいますよね笑
しかし稲沢のことを「彼」と言い表している部分がありましたよね。
うーん、どういうことなんでしょうね、、
女性のことを彼と表すことはあるんでしょうか、、
こうなるとただの同業者の関係だと思っていた保呂草と稲沢ですが、もしかしたらということもあり得ますよね。
なんせ1週間も海外で行動をともにしていますしね笑
今回のトリックは犯人であるタクシー運転手の伊藤雅美は他人をトレースすることに長けており、
20年前に亡くなった橋本祥子をトレースし、柳川聖志に復讐をするというものでした。
柳川聖志は立花亜裕美と協力し、伊藤雅美を殺害する計画でしたが、返り討ちにあってしまい、
不可解な密室が出来上がってしまったのですね。
他人をトレースすることは不自然かと思いますが、森博嗣さんの作品ではよく出てきますね。
例えばですが、Gシリーズでは犀川創平は真賀田四季をトレースできるようになっています。
紅子によるトリックの説明はかなり緊迫していておもしろかったです。
アナウンサー「ヘリウム、ネオン、アルゴンといえば不活性元素と呼ばれる物質ですが、その昔、怪獣の名前にもなった原子番号86…」
紅子「ラドンです、それから殺人犯は伊藤雅実さんです。」
即答かっこいい笑
ただの理系の人間でもなかなか答えられない問題ですね。
本作では推しメンの七夏は出てきませんでしたが、練無と紫子のやりとりにとても癒されました。
紫子は登場人物の天才達とは違って、ボクのような一般人視点での発言をしてくれるのでとても助かりますね。
味方がいる方が弱い。
右手があると思うから、左手が弱い。
味方がいる方が弱い。
人は、そういうふうにできている。
泣かなくなったのは、
味方がいないことが、わかったからだろうか。
そう思うと、涙が出そうになる。
小鳥遊練無
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