こんにちは、はっこんです。
今回の記事では森博嗣さんの『封印再度』を読んだ感想を書いていきたいと思います。
※本記事は『封印再度』を読まれた方に向けて書いたものです
※以降ネタバレを含みます、ご注意ください
『封印再度』はS&Mシリーズの第5作目です。
登場人物
- 犀川創平・・・・・・・・建築学科助教授
- 西之園萌絵・・・・・・・建築学科3年生
- 国枝桃子・・・・・・・・建築学科助手
- 西之園捷輔・・・・・・・愛知県警・本部長、萌絵の叔父
- 佐々木睦子・・・・・・・愛知県知事夫人、萌絵の叔母
- 香山風采・・・・・・・・画家
- 香山林水・・・・・・・・画家、風采の息子
- 香山フミ・・・・・・・・林水の妻
- 香山多可志・・・・・・・林水の息子
- 香山綾緒・・・・・・・・多可志の妻
- 香山祐介・・・・・・・・多可志の息子
- 香山マリモ・・・・・・・林水の娘
あらすじ
50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を遺して密室の中で謎の死をとげた。
不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。
そして今度は、林水が死体となって発見された。
二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。
感想
秀逸なタイトルですね、たった4文字の漢字と2単語の英語が絶妙な味を醸し出しています。
今回のストーリは森博嗣さんの作品の中でもかなりわかりやすい方だと思います。
内容をしっかりと理解しながら読み進めることができました。
耳泳暴洋 瞳座星原 水易火難 無我天地
仏画を模写するという行為を通じて、何かを生み出したいという意思を滅し、死んでいるように生きて、死んでも生きているようにするそんな境地を表した言葉です。
ボクはそんな境地に立ったことはないので分かりませんが、真賀田四季の死に対する考え方を思い出しました。
今回の事件は様々な出来事が偶発した結果、複雑になったものです。
世の中のタイミングの悪さですね。
その中でも注目すべきなのが祐介の「お祖父ちゃん、いないよ」。
確かに子供の頃ってこんな感じです。
確かに電池はあるはずなのに、まわりの大人は電池がないと言うんですよね。
当時は疑問に思ったものの成長するにつれて、そのような不合理を鵜呑みするようになっていくんですね。
そう言われてみれば大人になっていくほど馬鹿になるという犀川の言葉も納得できます。
子供の頃に存在するものはみんな生きていると思っていた自分を思い出しました。
事件の他にもおもしろいことが起こりましたね。
西之園エイプリルフールの変とでも言いましょうか。
血液の病と聞いた犀川が西之園の存在を再認識するいい機会になったとはいえ、
少しやりすぎかも笑
冷静沈着の犀川もさすがにマジギレ笑
記念碑にしたいくらいの怒りワロタwwwwww
人一倍時間の価値を認識している犀川にとって、
この2日間はもったいなく感じてしまうかも。
クリスマスも西之園が怒っててかわいかった。
ニヤニヤしながら読んでました。
ボクのお気に入りは犀川と佐々木睦子が対面するシーン。
やはり西之園の血を引いているだけあって只者ではない感じがしますね。
西之園萌絵の保護者であり、区役所よりも偉い彼女の言う言葉は理知的であり、会話を通して駆け引きを行っているような雰囲気。
彼女に渡った婚姻届はどうなるのだろう、正式に夫婦になったということでいいのかな?
婚姻届を破棄する犀川見てみたい笑
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