こんにちは、はっこんです。
今回の記事では森博嗣さんの『恋恋蓮歩の演習』を読んだ感想を書いていきたいと思います。
※本記事は『恋恋蓮歩の演習』を読まれた方に向けて書いたものです
※以降ネタバレを含みます、ご注意ください
『恋恋蓮歩の演習』はVシリーズの第6作目です。
登場人物
- 保呂草潤平・・・・・・・探偵、便利屋
- 瀬在丸紅子・・・・・・・自称科学者
- 小鳥遊練無・・・・・・・大学生
- 香具山紫子・・・・・・・大学生
- 林・・・・・・・・・・・愛知県警刑事
- 祖父江七夏・・・・・・・愛知県警刑事
- 各務亜樹良・・・・・・・ジャーナリスト
- 大笛梨枝・・・・・・・・航空学科大学院生
- 羽村怜人・・・・・・・・建築家
- 関根朔太・・・・・・・・画家
- クロウド・ボナパルト・・大富豪
あらすじ
世界一周中の豪華客船ヒミコ号に持ち込まれた天才画家・関根朔太の自画像を巡る陰謀。
仕事のためその客船に乗り込んだ保呂草と紫子、無賃乗車した紅子と練無は、完全密室たる航海中の船内で男性客の奇妙な消失事件に遭遇する。
交錯する謎、ロマンティックな罠、スリリングに深まるVシリーズ長編第6作!
感想
実は本作は前作の「魔剣天翔」に引き続き、ボクの大好きな作品です。
本作も何回読んだか分からないくらい読んだことがあります。
やはり圧巻の内容と言えるでしょう。
本作の保呂草はかっこよすぎですね笑
ただ本作で保呂草の好感度が二極化しそうですね。
紫子の扱いが少しかわいそうで保呂草のことを嫌いになってしまった人もいると思います。
ただ、本作のトリックはすべて保呂草が仕組んだものであり、それはまさに天才的と言えますね。
このトリック見抜けた人いるんですか?笑
ますます保呂草の人物像が謎に包まれていきますね。
他の作品とは違い恋愛要素を取り入れつつも、トリックの内容は他の作品を凌駕していると思います。
いつもこのブログでトリックをまとめていますが、今回はパスします、難しい笑
たくさんの糸が複雑に絡み合っているイメージですね、これを解くのは至難の技です。。。
ラストの大笛梨枝から羽村怜人への手紙とかやばいですよね。
読んでいると切なくて泣きそうになります。
かなり鳥肌が立ちました笑
何だかページの使い方もかなりうまいし、ちゃんと計算して書かれてますよね。
このブログを書いている今でも、高揚感や鳥肌が立ってきます笑
アドレナリンがかなり分泌されている状態ですね。
ああ、楽しかった。やっぱこの作品大好きだ。。。。
気になったのは、森川くんが船から降り、自分がさっきまで乗っていた船を見上げながら、太陽の眩しさでくしゃみがでてしまう描写がありました。
これ光くしゃみ反射ですね笑
実はボクも光くしゃみ反射持ってるんですよ笑
森博嗣さんもそうなのかな?
4人に1人が持っているものと言われますが、もっと少ないような気がします。
持ってない人に説明しても全然わかってもらえないやつですよね笑
結局関根朔太の自画像は保呂草の手によって、あるべきところへ返されました。
保呂草もなんだかんだ優しいですね。
いや、それ以上に絵の価値がわかるという事なのでしょうかね。
各務亜樹良は怒らなかったのかな笑
保呂草と祖父江七夏の戦闘シーンなどなかなか緊迫した描写も多かったですね。
保呂草は自分の部屋に忍び込んだ人物を各務亜樹良と勘違いしたのでしょうね。
保呂草も祖父江さんもつえー笑
ボクが戦いを挑んだら瞬殺されてしまいそう笑
他にも紅子と各務亜樹良が対峙する描写もありました。
バチバチの睨みあいって感じですね。
さすがの各務亜樹良も紅子には手は出せませんでしたね。
その場面でなかなかおもしろいセリフがありました。
各務「いったい何なの?何が貴女をバックアップしているわけ?私にはそれが見えない」
紅子「貴女のバックアップは丸見えです。私は一人。私の後ろにはお墓しかないわ」
以前番組の検証で、守るべきものがある人と失うものがない人どちらが強いのか検証したものを見た事があります。
検証と言っても街角でのインタビューですね。
その結果、失いものがない人の方に武があったのを覚えています。
紅子はどちらかと言わなくても圧倒的にそちら側に部類される人間ですね。
私なんか、もう何もないのよ。全部なくなってしまった。全部取られてしまったのよ。
だけどね、どうしても取られないもの、誰にも渡せないものがあります。
それが、人の価値を決めるものです。
それだけは、最後まで、死ぬまで、誰のものでもありません。
立ち上がりなさい。人の誇りを持ちなさい!
瀬在丸紅子
コメント
「保呂草の好感度が二極化しそう」というのは確かにそうかもしれませんね。
これを読んで彼への好感度が下がるなんて思ってもいませんでしたが、確かに紫子の感情に目をやると、可哀想ではありますね。
個人的には、それまではビジネスで動いていると思っていた保呂草への評価が逆転して、高感度が爆発的に上がった作品です。
「絵を見てしまったから」という理由で何も受け取らずに絵を返すところに、初めて彼の本質を見れました。
ハードボイルドでもないし、ビジネスライクでもない。
大泥棒のように派手ではなく、こそ泥とも呼べない鮮やかさ。
あまり類を見ないキャラクターで、保呂草は森作品の中でもお気に入りです。
類を見ないキャラクターは他もですが。(Vシリーズは特に)
PS.
個人的な雑記へのコメントありがとうございました。
普通にコメント返信しようと思いましたが、しっかりとした感想記事を書かれていたので、こちらへコメントさせていただきました。